雪解けの季節、内蒙古の柔らかい日差しがちょうど機関庫の正面から射し込み、最後の上游型が暫し微睡む。狭い機関庫には時折ハンマーの音が響き、ゆらゆらと白煙が立ちのぼる。あぁ、私はいま一度、現役蒸気という素晴らしい被写体に向き合っている。

2017年になり、中国蒸汽を撮影できる場所もいよいよ数が限られてきた。正直なところ、三道嶺の建設型が陥落しても中国各地に点在する上游型は安泰と思っていたのだが、阜新の無煙化と平庄の運休を受け、下手すれば上游の運用が建設よりも先に消滅しかねない状況となった。そんな中、内蒙古自治区の牙克石では上游型が現役で残っていた。しかし毎日蒸汽が動いている訳ではなく、3日間の訪問のうち車庫から蒸汽が出てきたのは1日だけ。残りの2日間は機関庫内での撮影のみが叶った。

(2017年3月25日 中国内蒙古自治区牙克石 五九煤砿にて)


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