芭石鉄道(2014/12)

私の現役蒸汽初体験・中国蒸汽初体験は、中国四川省の芭石鉄道だった。2014年12月、私が17歳になったばかりの時である。
芭石鉄道は四川省楽山市の健(正しくは牛偏に建)為[qianwei]県に位置する全長20km弱の762mmナローゲージだ。訪問時は既に随分観光鉄道化が進んではいたものの、それでも彼方此方に「現役」の雰囲気を醸し、地元の景色に溶け込むナロー蒸汽は素晴らしいものだった。この鉄道に滞在した2泊3日をきっかけに、私は現役蒸汽の世界に引き摺り込まれていくことになる。

2014年12月27日、記念すべき中国現役蒸汽との初対面の日は雨だった。この地方では珍しくないことで、むしろ太陽が出る日の方が稀であるそうだ。
朝早くに四川省成都を高速バスで発ち、途中健為バスターミナルで路線バスに乗り換えて芭石鉄道躍進站に到着。しばらくは列車も来ない様なので、線路沿いに歩きつつ山を登って行くことにした。この鉄道の沿線では道路整備が未だ行き届いていないため、人々は線路を生活道として生活している。

不意に山の向こうから汽笛が聞こえてきた。No.08が絶気運転で軽やかに坂を下ってくる。カメラを構えた私を見て、運転士が盛大に汽笛を吹かしてくれた。冷え込んだ山の空気を、汽笛が白く染める。

スイッチバックのある蜜蜂岩站に辿り着いた。ちょうど到着した列車から、赤ん坊を抱えた夫婦が降りてきた。

列車に乗って躍進に戻る。蜜蜂岩までの区間では、機関車が逆機の時に上り坂、正向きの時に下り坂となるので、なかなか悩まされる。

二日目の朝。始発列車に乗って山を登る。躍進7時発車だが、冬と言うこともあり、また北京からずいぶん西に離れているため、夜明けは遅い。

この日は運良く青空が広がった。有名撮影地の亮水沱でもこの通り。オフシーズンで編成が短いので締まらないが…

客は殆ど居ないが、ちゃんと観光客向けのフォトランを行ってくれる。一発目にして見事な虹を拝むことが出来た。

結局この日は焦貝[jiaoba]站から蜜蜂岩站まで約7.5kmを歩き通した。蜜蜂岩站手前の36‰勾配カーブで撮影。春になれば菜の花が咲き乱れる名所でもある。

蜜蜂岩駅で列車を待つ間、地元の子供たち2人組と仲良くなった。この写真は、私のお気に入りの一枚でもある。

たちまち追いかけっこが始まった。2対1ではいささか分が悪い。

三日目の朝、始発列車がまだ暗い躍進の街に滑り込んでくる。併用軌道とも専用軌道とも言えぬ曖昧な雰囲気が魅力的だ。ちなみに、カラーで撮った写真を白黒にしただけの「なんちゃって」白黒写真である。

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