芭石鉄道(2015/04)

2014年末に芭石を訪れた私は、芭石の魅力にすっかり取り憑かれてしまった。冬に撮り逃したカットを狙うため、私は4月に再び中国四川省へ飛んだ。
春の芭石鉄道といえば、3月頃までの菜の花咲き乱れるシーズンはあまりにも有名である。しかし残念ながら、私が訪問した時期には菜の花は粗方菜種になってしまい、変わって沿線を彩るのは新緑の樹々だった。それでも滞在中は、この地方では珍しく晴天に恵まれ、初夏の山を駆けるナロー蒸汽の撮影を存分に楽しむことが出来た。

4月3日、快晴の芭石鉄道躍進站に到着。前回同様、線路沿いに歩いて蜜蜂岩站を目指すことにした。観光シーズンだけあって、頻繁に列車に追い抜かされ、またはすれ違う。

躍進〜蜜蜂岩で区間運転している臨時観光列車が山を下りて来た。道中では交換施設も増設されており、相当繁盛しているのだろうと伺える。

蜜蜂岩站に辿り着いた。地元の人々は賭け事の真っ最中で、汽車には目もくれない。どんなに観光客が増えようと、ここに住む人々の午後の憩いは不変なようだ。

二日目は始発列車で芭溝まで登った。旗式の信号も現役である。

驚いたのは、芭溝〜黄村井間にバテロコ牽引のトロッコ列車が導入されていたことだ。多客期は観光列車が全て芭溝止まりになり、そこから先はこのトロッコでピストン輸送するという形態らしい。

撮りたかったカットの一つ、トンネル飛び出しを狙う。脇に立つ赤ん坊連れがいい雰囲気を出してくれた。

定番の亮水沱にも立ち寄った。新製ほやほやのNo.17号機は丸ライトが可愛らしい。

夕方には躍進の街に戻ってきた。山の中の風景も良いが、街中を半併用軌道風味の線路で走り抜けて行く姿もなかなか素敵である。

三日目の朝。蜜蜂岩站まで始発列車に乗った後、先回りして36‰勾配のカーブで待ち伏せる。始発列車は、夜露に濡れた線路をゆっくりと上って来た。朝の冷えた空気に、煙が朦朦と広がる。

始発列車の返しは菜子貝[caiziba]站近くのΩカーブで構えた。ナロー蒸汽と凸凹な客車の組み合わせがなんとも愉しい。

焦貝[jiaoba]站にて、交換風景を狙う。ナロー蒸汽どうしの交換が見られるのも、今となってはここ芭石くらいのものかもしれない。

厳ついスタイルのNo.08。この日は1時間に1本の観光列車が設定されていた。

トンネルの上から芭溝の街を望む。新しく建て替えられた駅舎の三角屋根が昔ながらの雰囲気を醸し出して(ぶち壊して)いる。

黄村井行き最終列車がソ連式住宅群をバックに駆ける。折り返しの躍進行き最終に乗り麓へ戻り、三日目の行程を終えた。

翌日は早朝に躍進を発ち、同じ楽山市にあるナローゲージ「沫江煤電」に立ち寄ったのち、成都に戻った。


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