芭石鉄道(2016/02)

2014年末2015年春に続き、春の芭石鉄道の風景を求めて2016年2月に中国四川省へ飛んだ。狙いはもちろん菜の花咲き乱れる沿線風景。しかし2016年は寒波の影響か開花が例年より遅れ、またしても満足いく開花とはならなかった。天気も曇りや小雨に祟られ、どうも今ひとつといったところ。しかし、旅の最後には驚くべきサプライズもあり、結果的にはとても満足いく撮影ができた。

成都から高速バスと路線バスを乗り継ぎ3時間、芭石鉄道躍進に到着。健[正しくは牛+建]為からの路線バスに新車が導入されていたのにまず驚いた。到着後は、いつも通り徒歩で山を登り蜜蜂岩を目指す。

到着日は日曜で計6往復の観光列車が設定されていたが、まだ菜の花のシーズンには早いからなのか、客車1両の編成も見られた。以前は茶や水色だった観光客車が、緑色に塗り直されている。

蜜蜂岩站の少し手前の辺りだけは、菜の花が満開だった。品種の問題なのか、はたまた機関車が灰を捨てる場所が近く暖かいからなのか。

二日目、始発列車で蜜蜂岩まで登った後、芭溝を目指して歩く。湿度が高く気温が低いので、白煙が綺麗に伸びて楽しい。

菜子バ[土+貝]駅はホームと交換設備が新設されており、駅の脇には菜の花畑が広がっていた。昨年来た時の単線ホームは跡形もなく、改めて芭石の観光化の勢いに驚かされる。

それでも、やはり芭石鉄道は地域の人の生活手段でもあり続けている。しかし、この横幅でトンネルを通ることはできるのだろうか。

定番の亮水沱。アブラギリも虹もブロー噴出も無いこの素朴さこそ至高である。緑の観光客車の色が落ち着くまでは、まだ暫く待たねばならないようだ。

焦バ[土+貝]にて。駅構内で談笑している家族を撮ろうとしたら、しっかりポーズを取られてしまった。

この日は結局、蜜蜂岩から黄村井の少し手前まで歩き通してしまった。最終列車で山を降り躍進に戻る。

三日目の朝、蜜蜂岩の灰捨て場にて。まだ薄暗い時間帯、火床から捨てられた石炭が真っ赤に輝く。

蜜蜂岩の新しいホームはご覧の通り。登下校の子供達は靴が汚れずご機嫌な様子だ。

蜜蜂岩まで歩く。雨が降っている間は蜜蜂岩脇の陳先生のお宅で雨宿りをさせていただいた。

定番撮影地の菜の花は、ご覧の通りまだまだ満足いく開花には程遠い状態。また来年芭石を再訪する口実ができてしまった。

菜の花と列車を絡めて撮影できるせめてもの場所ということで、同じ場所から何本も列車を撮影している。ナントカの一つ覚えとはこのことだ。

3日目の最終普通列車は、蜜蜂岩先のSカーブにて撮影。

4日目、躍進から石渓側に歩き、SNSで教わった撮影地から凸電を撮影。どうも蒸汽ばかりに目がいってしまうが、こんなに長い石炭貨物がナローで見られるのも貴重だ。

石渓の車庫へ。入り口には立入禁止とあったが、その場にいた作業員に尋ねてみたところあっさりと見学許可を貰えてしまった。

作業所も撮らせていただく。

機関車の修繕庫に入り、私は暫く呆然と立ち尽くしてしまった。乱雑に積み上げられた部品、籠って揺らめく煙、柔らかく差し込む光…この上無い光景に、何からカメラを向けたらいいのかすら忘れてしまった。

天井は高く、古びた木の壁はいくつもの孔をつくっている。乾いた色のレンガの内壁が、いかにもといった雰囲気を醸している。

訪問時は3両の機関車が修理中だった。中国ナロー最後の蒸汽の大世帯となった聖地・芭石、それを支える工場もまた聖地であった。

見学の礼を整備員たちに伝えたかったのだが、生憎彼らはみな昼飯を食べにどこかへ行ってしまった。私も帰りの列車の時間を気にしつつ、後ろ髪を引かれる思いで芭石を離れた。よもや彼らがこのページを見ることはないだろうが、それでもこの場に礼を記しておきたい。謝謝大家。


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