台鐵最後の普快車(乗車編)

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台鐵(台湾国鉄)の列車の中でもっともランクの低い種別が「普快車」である。非冷房の各駅停車を指し、現在では台湾南部の南廻線 枋寮〜台東間で1日1往復が残るのみとなった。この一往復(普快車3671次/3672次)はディーゼル機関車と青色の旧型客車で運転され、「藍皮車」の愛称で親しまれている。

何度か撮影はしたことがあった普快車だが、全区間通しで乗ったことはなく、2015年3月の台湾訪問に際してようやく台東発・枋寮行きの3672次に全区間乗車することになった。

ホームに留め置かれた客車に、R100形ディーゼル機関車が連結される。客車の両端の貫通路には、ご覧のように横棒とチェーンが渡されているだけだ。

電鈴の音が鳴り響き、台東を16時08分に発車。列車はしばらく内陸部を走る。開け放たれた窓から、初夏の台湾の匂いが流れ込んできた。

最初の停車駅・康楽で短い貨物列車と交換した。川をいくつか渡り、知本駅を過ぎたあたりで車窓に海が見え始める。

太麻里では自強號(特急)と交換する。

太麻里を発車すると、また列車は海岸線沿いにのんびりと走る。

編成に組み込まれていた客車のうちの1両に照明の不具合があった。非常灯だけを灯しているので、トンネルに入るとなかなか神秘的な雰囲気を楽しむことができた。

大武に到着。各駅停車が極端に少ない南廻線では、小さな駅へ小荷物を届けるのも普快車の重要な役割である。

古荘を過ぎたあたりから、南廻線はトンネルが連続する区間となる。列車の最後尾から、だんだん小さくなっていくトンネルの入り口の明かりを眺めるのもまた楽しいものだ。

トンネルが途切れ、枋野信号所で停車。ここですれ違いの自強號を待つ。だんだん辺りが暗くなってきた。

枋山を過ぎ、南シナ海がすぐそこまで迫って来る。天気が良ければ夕焼けが見えたのかもしれない。時折見える船の灯りが哀愁を誘った。

定刻18時21分、終着駅・枋寮に到着。機関車は明日の折り返し運用に備えてターンテーブルで向きを変える。台湾最南端の鉄路を駆けるこの老兵たちの姿も、いつまで拝むことができるのだろうか。

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