牙克石・五九煤砿(2016/05)

2016年の5月、ゴールデンウィークに中国東北部に飛び、遼寧省阜新と内蒙古自治区牙克石を訪れた。

瀋陽から夜行列車に乗り、翌朝に牙克石に到着。そこから伸びる支線の「牙林線」に乗り換え、乌尔旗汉の駅で下車する。 22型と25型が混結された地方列車は、労働節の休暇のためか異様に混んでおり、私はとうとう予約しておいた自席にたどり着けなかった。

駅前にあったホテルに立ち寄り、日本人でも宿泊可能なことを確かめて荷物を置かせてもらう。身軽になってからタクシーを拾い、いざ蒸汽の住処、五九煤砿へ。

…と意気込んだものの、残念ながら炭鉱は休業中。しかも活躍しているのはディーゼルで、蒸汽は既に火を落とされて庫の中で佇んでいるのみであった。

最初のうちはその庫を見学するのすら断られてしまったが、頼みに頼み、遂には乗ってきたタクシーの運転手さんすら説得に加わり、ついに短い時間のみではあるが撮影が許された。

ここに居る上游は全部で3両。みな、寒冷地らしい厳つい出で立ちである。火は落とされているものの炭水車には石炭が山と盛られている。ディーゼルが検査に入った時など、蒸汽が出動するのであろう。

蒸汽の居る庫というのは、なかなか独特の味わいがあって良いものだと思う。夕方の低い陽光が、庫に柔らかく差し込む。

これで、少しでも煙突から煙を吐いていたのなら、また格別であったとは思うのだが…この庫に入れていただいた時点で感謝感激、贅沢は言うまい。

二灯ライトの上游を正面から。工場の作業員が「早く切り上げないか」と急かすもので、これが最後のカットとなってしまった。

煙こそ無く一旦は落胆したものの、思いがけず良い被写体に恵まれた牙克石・五九煤砿訪問であった。次のチャンスがあるとすれば、その時は煙が上がっていることを…と願いつつ、内蒙古の紅い大地を後にした。

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