広きドニエプルの風

"萍逢鉄路" Vol.8:ドニエプルに旧共産圏の車両を追って — 前編・ウクライナ

Rail Magazine No.448 pp.70-75掲載
カルチュア・エンタテインメント(ネコ・パブリッシング) 2021.03.19

[Prologue]
川縁のこの村に連れて行ってくれないか — 列車を降りた私は、地図を指差して尋ねた。タクシーの運転手は二つ返事で答え、彼の愛車 — 動くことが奇跡のようにも思える、草臥れたラーダのエンジンを始動させる。
ザポリージャの外れ、ヴァシリスキー地区。朝霧に煙るウクライナの農村である。駅前からしばらくは舗装道路が続いたが、幾度か道を曲がるにつれて砂利道に替わった。ラーダは壊れた洗濯機のように揺れだす。数分ののち、運転手はすっかり機嫌を損ねてハンドブレーキを引いてしまった。道が悪いから、ここから先には行かない — 彼は頑としてそう言い張る。
目的地まではあと数kmというところか。乗るときに約束した額よりやや値切った運賃を支払い、私は車を降りた。

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TRAMVISTA 2系統

-トラムビスタ-

合同写真展
富士フォトギャラリー銀座
2021.3.5-18


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TRAMVISTA

-トラムビスタ-

合同写真展
池袋/ギャラリー路草
2020.12.17-22


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風来坊往訪記

"萍逢鉄路" Vol.7:ミャンマー秘境、レールカーの楽園

Rail Magazine No.446 pp.64-69掲載
ネコ・パブリッシング 2020.11.20

[Prologue]
余りの部品を組み合わせ、あるいは自動車を改造して生まれたような、怪しくも愉しい風体。一両として同じ顔の車両はいないのではないかと思わせる、人間臭い出で立ち。そのような素性の知れない車両に心惹かれてしまうのは、なぜだろう。彼らを追いかける旅は、まるで辺境の地で語り継がれてきた神話に耳を傾けるかのような至福の時間だった。
そのなかでもミャンマーで出会った"カーヤター"列車の魅力は忘れ難い。20世紀末の同国の鉄道網に新たな息吹を与え、そして人知れず消えていった風来坊たち。その最後の煌めきを追いもとめミャンマーを縦断した記憶を、今ここに書き記したい。

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グアンタナモの夕陽


第13回 タムロン鉄道風景コンテスト
審査員特別賞

「第13回 タムロン鉄道風景コンテスト」(株式会社タムロン主催)におきまして、拙作「グアンタナモの夕陽」(2017年キューバにて撮影)が審査員特別賞を受賞しました。本受賞を励みに、今後もより一層精進して参りたいと思います。
作品はそごう大宮店にて10月13日-30日の会期で展示され、また雑誌「Rail Magazine」446号(2020年11月発売号)に掲載される予定です。

▶︎ 第13回 タムロン鉄道のある風景コンテスト

火を護る人たち

"萍逢鉄路" Vol.6:カマの塒で過ごす一夜

Rail Magazine No.445 pp.112-117掲載
ネコ・パブリッシング 2020.09.19

[Prologue]
レイル・ファンならば誰しも一度は、運転士や車掌になる夢を抱くものなのかもしれない。しかし私の幼い頃の夢は、鉄道車両そのものになって車庫に住むことだった。
残念ながら最近になってこの願いを完全に叶えることは難しいと知ったが、幸いポーランドの田舎町で夢の一部を叶える機会を得た。

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大陸阿房列車

"萍逢鉄路" Vol.5:大平原の風に吹かれて…

Rail Magazine No.443 pp.86-91掲載
ネコ・パブリッシング 2020.07.18

[Prologue]
内田百閒先生の『阿房列車』は、「用事がなければどこへも行ってはいけないと云うわけはない。なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」という名文句で幕を開ける。今も昔も、汽車に乗るため、見るためだけに遠出をするというのは最高の楽しみである。しかしここ数ヶ月、用のない外出は少々憚られるような日が続いた。家に篭り、以前撮影した写真を弄る日々である。
これまで旅した土地で、もっとも「三密」と対極にあった場所はどこだったろうか、と思い返す。瞼を閉じると浮かび上がってくるのは、どこまでも続くモンゴルの荒野。地鳴りのようなエンジンの音とともに駆け抜ける、長編成の夜行列車や貨物列車。

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アナトリア、歴史の接する旅路

"萍逢鉄路" 番外編:トルコの最新寝台特急

Rail Magazine No.441 pp.116-121掲載
ネコ・パブリッシング 2020.04.21
協力:トルコ共和国大使館・文化広報参事官室

[Prologue]
長距離夜行列車、その揺り籠の上で過ごすひと時に魅せられた旅人は数知れない。かく言う私もその一人である。「はやぶさ」から眺めた朝陽の瀬戸内海、「あけぼの」で越えた雪の国境。最近は日本でも、単なる移動手段としての価値以上の魅力を提供する夜行・寝台列車が増えてきている。
アジアとヨーロッパの接する地、トルコ。彼の国でもまた一つ新たな寝台列車が走り出したという。1,300km余りの夜汽車の旅という浪漫に誘われ、私は初春のアナトリアの土を踏んだ。

▶︎ Rail Magazine 公式サイト (RM441)

また、ネコ・パブリッシング社のwebサイト「鉄道ホビダス」上で同トルコ取材のこぼれ話が短編連載されました。

▶︎ 鉄道ホビダス「萍逢鉄路」トルコ共和国編

港町の異邦人たち

"萍逢鉄路" Vol.4:南国チリのメーターゲージ・レールバス

Rail Magazine No.440 pp.106-111掲載
ネコ・パブリッシング 2020.03.21

[Prologue]
チリの首都サンチアゴ、バスターミナルに向かう道は未だ暁闇に包まれていた。南米諸国を巡る長旅もいよいよ終盤戦に突入しようとしていたが、私の足取りは軽いものであった。疲れを感じていない訳ではない。携えている荷物が異様に少ないのだ。それというのも…。

▶︎ Rail Magazine 公式サイト (RM440)

India by rail: Riding it rough on a narrow-gauge train

狭軌鉄道の車両の上からインドを思う

Asahi Weekly No.2399 掲載
朝日新聞社 2020.01.12

[Prologue]
Traveling off the beaten path in India I was encountered by the same question, whether it be while I was waiting for my order to come in a cheap eatery or simply wandering around the city carrying my backpack.
“What is that brought you all the way to India?”
Each time I would answer honestly that I had come for a train ride, and each time I was greeted with a puzzled look. But it was the simple truth. I had come to ride one particular train that, as vast as the subcontinent is, can only be found in one place.
I wanted to ride a train whose roof was jam-packed with people.

遅咲きの向日葵

"萍逢鉄路" Vol.3:旧ソ連・モルドバに生き残る流線形気動車

Rail Magazine No.437 pp.114-119掲載
ネコ・パブリッシング 2019.12.21

[Prologue]
流線型の前頭部、床下機器を隠すカバー、目の覚めるような臙脂と向日葵色の塗装。半世紀前の「未来」がこの車輌には詰まっていた。座席が板張りであろうと、冷房がなかろうと関係ない。私の父親や祖父の世代が「流電」や「湘南電車」に感じたであろうトキメキが、この気動車には未だ残っていた。

▶︎ Rail Magazine 公式サイト (RM437)

天竺奥乃細道

"萍逢鉄路" Vol.2:インド最後の「屋根乗りナロー」

Rail Magazine No.435 pp.108-113掲載
ネコ・パブリッシング 2019.10.21

[Prologue]
屋根まで満員の列車を見てみたい。それも、できることならナローで。そう願うようになったのはいつからだろうか。
私の手元には、小学生の頃に知人から譲り受けたRM101号がある。私が生まれる5年前、1992年の誌面に掲載されていたのは鈴なりの乗客で彩られたインド・ネパール国境のナローゲージだった。我が眼では拝むことは叶うまいと思っていた光景。
だが、どうやらまだ1箇所、屋根乗りナローが生きている場所があるらしい。四半世紀越しの憧憬を求め、2019年2月、私はインド国鉄の夜行列車に飛び乗った。

▶︎ Rail Magazine 公式サイト (RM435)

アンデスに生きるJaponesa

"萍逢鉄路" Vol.1:南米ボリビアで"パーイチ"似の機関車に出会った!

Rail Magazine No.433 pp.95-99掲載
ネコ・パブリッシング 2019.08.21

[Prologue]
近年、日本製の鉄道車輌の海外輸出が話題に上ることが増えたように感じる。“あずま”と名付けられた日立製の特急車輌がイギリスで活躍を始めたという報道も、記憶に新しい。
半世紀ほど前にも、日本は多くの機関車を海外に輸出していた。行先はスペインからコンゴ、スーダン、ビルマにモロッコまでと様々で、その後の政治的混乱により行方知らずとなってしまった車輌も少なくない。そんな中、今なお活躍を続ける日立・三菱製の機関車を追いかけ、昨年3月と8月の2度に渡って南米大陸を訪れた。

▶︎ Rail Magazine 公式サイト (RM433)

萍逢鉄路

眼差しのインド

ソニーイメージングギャラリー5周年記念作品展
"Next Generation"
Sony Imaging Gallery GINZA
2019.07.12 - 07.18

▶︎ ギャラリー公式サイト (Next Generation)
▶︎ CSRマガジン取材記事「鉄ちゃんがアジアの鉄路で見たもの」

世界の線路端からⅢ

第七回火車撮影家集団写真展

OLYMPUS Gallery TOKYO
2018.11.02 - 11.07

OLYMPUS Gallery OSAKA
2018.11.24 - 11.29

▶︎ ギャラリー公式サイト (世界の線路端からⅢ)

萍逢鉄路

アジア 旅の途中で

作品展
Sony Imaging Gallery GINZA
2018.03.23 - 04.05

▶︎ ギャラリー公式サイト (萍逢鉄路)
▶︎ CSRマガジン取材記事「鉄ちゃんがアジアの鉄路で見たもの」

Profile + Contact


原田佳典 / HARADA Keisuke


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